ハイヒールを履いた時の全身への影響と稽古の後は氷バケツ
ハイヒールを履いた時の全身への影響
春馬さん、斉藤先生から10センチくらいのヒールを買ってきて、ダメ出しを食らいましたが、その後は斉藤先生から何故ダメなのか、理由を教えてもらいました。
斉藤先生は、骨格のイラストで説明をしてくれました。
イラストは、平和な場所での足の様子がレントゲンのようにイラスト化されています。
そして、ヒールを履いた時の骨の関節や重心のかかり方も見比べられるようになっていました。
斉藤先生は、足のどの部分に負荷がかかり、骨が変形するのもわかり、この負荷は膝を経て骨盤と腰椎、さらに延びて頸椎まで影響することを説明してくれました。
頭の良い春馬さん、すぐに納得しました。
足首は縮むし、脛は伸びたまま踊るから、春馬さんのように身体の柔らかい人は足首をひねってしまう事までを斉藤先生は教えてくれました。
しかも、春馬さんはもともと身体がしなやかで関節が柔らかいので、そういう人は普段は怪我をしにくいのですが、無理もきくため、油断をしたときに大きな故障に繫がることを斉藤先生は、わかりやすく説明をしてくれました。
春馬さん、ますます納得です。
「この図はわかりやすいですね、たしかに怪我したら大変です」
私は、ボイストレーナーの先生が普通、どの程度の知識があるのかわかりませんが、斉藤先生は凄い先生のような気がします。
声の発声だけでなく、高いヒールを履いた時の全身への影響まで、きちんと説明ができる先生は特別ではないかと思いました。
稽古の後は氷バケツ
「キンキーブーツ」の稽古場でも、ブロードウェイチームが来日した時、春馬さんはじめエンジェルスのメンバーにも怪我のことを注意するよう指導があったそうです。
春馬さんはじめエンジェルスのメンバー全員、踊った後、必ず氷バケツに足を入れて冷やしていました。
このことは、共演者のソニンさんも記者会見の時に言っていました。
「キンキーブーツ」の舞台のためにブーツは、一人一人の脚に合った作りになっていて、けがをしないよう細心の注意を払われていたといいます。
斉藤先生は、後学のために楽屋でそっと触ってみたそうで、しっかりとした作りで、とても軽かったそうです。
春馬さんは、この少し前に映画のロケで、無理をしてけがをしたことがあったそうで、その経験があったせいか斉藤先生の話をとても真剣に聞いていたそうです。
斉藤先生は、春馬さんにヒールになれるために、3センチのおうちスリッパを勧めます。
斉藤先生は続けて、3センチから5センチ、8センチとと少しづつ高くして、30分以上は立ち続けないことと、脱いだら足の指を広げるという注意事項を告げました。
春馬さんは、あの素晴らしい「キンキーブーツ」の舞台をつくりあげるのに、このような努力をしていたんですね。
この本を読んでいると、春馬さんの息遣いが聞こえてくるような感覚になります。