個性を維持し磨くことと高音の出し方
個性を維持し磨くこと
「フォームの頑固さは性格から来るものだけど、個性を手放さないためには頑固さだって必要なエレメンツ。音楽に個性が無かったら、面白さがなくなってしまう。だから頑固さを否定しなくていいです。ただし自分の頑固さに向き合い、話し合いするつもりでやっていきましょう」
斉藤先生の言葉ですが、なんて素敵な言葉でしょう。
斉藤先生の言葉は、音楽だけでなくあらゆることに通じることが多いですが、この個性のことも個性を維持し伸ばすことの的を得ていると思います。
ずいぶん前ですが、「男はつらいよ」の渥美清さんの歌をカバーした人の歌を聞いたことがあるんですが、とっても上手で渥美清さんよりずっとうまいんです。
でも、アレ、なんか違う、この歌は渥美清さんの個性があるから生きているんだ、と初めて感心したことがあります。
春馬さん「はい、ぜひやりたいです」
こういう先生だと、心から信頼ができます。
さっそく始まりました。
春馬さんが、ダンベルで普通に筋トレをするのを、斉藤先生が数十秒動画をとります。
撮影してあるのは、春馬さんの首筋や顔半分です。
その動画を見ながら、斉藤先生の指導が続きます。
このブログを書きながら、春馬さんの「キンキーブーツ」の歌を聞いています。
春馬さんはこういう指導を受けたおかげで、しっとりと伸びやかな高音で歌う事ができたんだと思うと、感慨深いものがあります。
高音の出し方
「ほら、首を見て、歯を食いしばると、細く締まっていませんか」
「あ、細くなって筋が……」
「筋肉の筋が束ねられて表面の血管が押し出されて浮かんでいますね。では先生が同じように筋肉を使って歌いますので首を見て、途中触って観察してください」
「あ、声が辛そう。首筋が細くなりました。5ミリくらいは細くみえる!」
「では、筋肉の使い方を逆の方向になるようイメージします。首が太くなる方向で呼気を出しますので、声も聴いていてね」
「高音まで楽そうです、首が少し太いし、息を吸うと細くなって、歌い出すとすぐ膨らむよ!わぁ、なんで?」
「声のエネルギーが狭くて渋滞してしまわないように、出口に向かって少し広くしたいなと思ったので、筋肉たちにそう命令しました」
「僕にもできますか」
「はい、2分でできます」
「え?え?……あ、できました」
何だか私まで嬉しくなってきました。
こんなふうにして春馬さんは苦手だった高音が出せるようになったんですね。
こうやって、いろんなことを一つ一つクリアして、すばらしい表現者三浦春馬を自分で作り上げていったんですね。
斉藤先生は、こんな春馬さんの様子を春馬さんファンに知らせたかったのかもしれません。